安全管理制度の構築
2006年10月から陸・海・空の運輸事業者に対し、輸送の安全確保に関する義務付けが強化され、当社も運輸安全マネジメントを構築しました。
同マネジメントにより安全統括管理者と運航管理者を選任し、安全管理規程を定めて運航基準、作業基準、事故処理基準及び荒天警戒配備基準等の基準に従って船舶の運航を行っています。通常、1社で1つの安全管理規程がありますが、当社では、運航形態の相違により6種類の安全管理規程があり、より高度な安全運航体制が求められています。
安全・環境保護方針
当社の安全管理にかかわる当社の全体的な意図及び方向性を明確に示すため安全・環境保護方針を設定し、具体的な施策を実施するために安全重点施策を作成して日夜安全運航に努めています。
経営トップの安全運航に対する情報の共有
これまで国の内外で発生した事故の教訓により社長を含む経営トップから現場まで一体となって安全に対する取組を行うように求められています。このため、当社では、毎月発生した安全運航に関する事象や実施した安全教育、訓練等について、安全運航担当役員から全役員に報告し情報の共有を図るようにしています。
「船舶安全管理システム(任意ISM)」で更なる安全体制の確保
海上輸送においては、人命に関わる事故や、深刻な海洋汚染事故を契機として船舶安全管理システム(ISM)が制定されました。本システムは、外航就航船では強制、内航船では任意となっていますが、当社は、2002年2月フェリー業界では初めて本システムを導入し、船舶の運航だけでなく、乗組員の管理、船体・機関の整備についても品質の高い管理を行っています。
船舶安全管理システム(ISM)とは

International Safety Management の略で、国際海上安全人命条約(SOLAS条約)が定める国際安全管理コード(ISMコード)で、国際航海に従事する船舶はこの安全管理コードに基づく安全管理体制を構築することが義務づけられています。
当社は国際航海に従事する船舶の範疇には該当しておりませんが、船舶の安全航海と海洋汚染防止を当社の最重要事項とし、任意でこの管理体制を構築し国土交通省等の審査を受け、ISMの認証を取得しています。
安全管理システムの組織図
船舶一部(首都圏⇔北海道航路)
船舶二部(関西⇔九州航路)
船舶火災に対しての更なる安全対策
当社は、北海道航路 旅客フェリー4隻に対する船舶火災への更なる防止対策として、国交省海事局より実装備の承認を得たCAFS(圧搾空気泡消火システム)架装車を導入した新消火プランを2019年より運用開始しております。加えて、消火活動に有効な機動消防用具類を採用し、更なる消火設備及び装具の拡充を図っており、新消火プランに基づいた消火訓練に留まらず、外部専門機関のご協力を得た教育訓練についても強化しております。
また、火災防止で最も重要な事柄である、火災自体を引き起こさないという事に対しては、特に冷凍電源車による発火防止に力を入れており、本船電源供給設備の点検整備の強化、パトロール時のサーモグラフィカメラによる発熱状況を含めた運転状況の確認を行っており、これに関連し、冷凍機電源の取り扱いについて、メーカー指導の下、知識向上の強化も図っています。


本船の取り組み
当社通航船は法定に従い、管轄官庁による定期的な検査を受け適正に設備を保持し、日々点検・整備を実施しております。緊急時の避難設備については、小人、幼児を含む全てのお客様(最大搭載人員)に対応する十分な数の救命胴衣並びに救命いかだを装備しております。
万が一の事故の際には、当社の安全管理規程において、お客様の安全を確保する為、乗組員各員の役割を定めております。また、乗組員並びに関係社内部署においては、定期的に各種訓練を実施し、万が一の事故に備えております。
航行の安全は日々の取り組みを通じて初めて達せられるものであり、当社に関係する社員全員の意識涵養が何より重要と認識したうえで、幹部社員が率先して安全に対する啓もうに取り組んでおります。
本船および陸上社員参加訓練の様子
海技教育機構との安全運航に係る協定に基づく活動
2019年8月、独立行政法人海技教育機構と安全に関する協定を締結しました。(旧 航海訓練所との協定は、2008年4月に締結)
目的は、実習生を訓練する海技教育機構と旅客を輸送する当社がそれぞれの活動を通して蓄積した安全対策等の情報を交換し、また互いに安全運航に関する助言を行うことにより、海上安全への意識の高い組織風土の醸成に向けて協力し合うことです。
海技教育機構職員(海事有識者)による安全点検およびアドバイスを受け、常に安全運航を確保するための情報として活用しています。

