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平成十八年国土交通省告示第三百十六号

第一章 総則

第一条(事業の種類等)

  • 当社は、船舶運航事業者(海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第二項に規定する船舶運航事業(同法第四十四条の規定により同法が準用される船舶運航の事業を含む。)を経営する者をいう。)が行う貨物の国内運送又は当該運送を利用して貨物利用運送事業者が行う貨物の国内運送に係る次の貨物利用運送事業を行う。
    • 第一種貨物利用運送事業(貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)第二条第七項に規定する事業をいう。)
    • 第二種貨物利用運送事業(同法同条第八項に規定する事業をいう。)
  • 当社は、前項の事業に附帯する業務を行う。

第二条(定義)

  • この約款において「荷主」とは、荷送人又は荷受人をいう。
  • この約款において「荷送人」とは、貨物について当社と運送契約を締結する者をいう。
  • この約款において「荷送人等」とは、荷送人又は荷送人が指示する者をいう。
  • この約款において「荷受人」とは、荷送人により貨物を受け取るべき者として指定される者で、次に掲げるものをいう。
    • 船荷証券又は貨物引換証が発行されている場合においては、当該有価証券上適当な指図を受け、かつ、これを所持する者
    • 前号の有価証券が発行されていない場合においては、書面又は口頭の如何を問わず、荷送人が当社に対して引渡を指示する者
  • この約款において「運送人等」とは、当社がその運送のために使用する船舶運航事業者及びその使用人(船員、下請人及び荷役業者を含む。)、貨物自動車運送事業者及びその使用人並びに貨物利用運送事業者及びその使用人をいう。
  • この約款において「船員等」とは、運送人等のうち船舶運航事業者の使用人(船員、下請人及び荷役業者を含む。)をいう。

第三条(適用範囲)

  • この約款は、当社が第一条の規定に基づき行う業務に適用する。
  • この約款に定めのない事項については、法令の規定又は一般の慣習による。
  • 前二項の規定にかかわらず、当社が法令の規定に反しない範囲内で特約の申込みに応じたときは、その特約による。

第二章 運送の引受け

第四条(運送の引受け)

  • 当社は、当社がその運送のために利用する船舶運航事業者の使用船舶(以下「使用船舶」という。)の輸送能力の範囲内において、貨物の運送契約の申込みに応じる。
  • 当社は、荷送人等から明告された場所において、又は当社が指定する場所及び時間内に荷送人等から貨物を受け取り、荷送人等から明告された場所において、又は当社が指定する場所及び時間内に荷受人に対し当該貨物を引き渡す。ただし、当社と荷主との間で特に合意がある場合においては、当社は、当該合意に従う。
  • 当社は、荷送人等から明告された場所において、又は当社の指定する場所及び時間内に当社への貨物の引渡が行われない場合においては、予定した船便に当該貨物を船積みすることに関する責めに任じない。
  • 当社は、第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合においては、運送契約の申込みを拒否し、又は既に締結した運送契約を解除することができる。
    • 当社が第十四条の規定による措置をとった場合
    • 貨物が次のいずれかに該当する場合
      • 臭気を発するもの、不潔なものその他運送人等又は荷主の指示により使用船舶に乗船し、若しくは自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定にする車両をいう。以下同じ。)に乗車する者(以下「便乗者」という。)に迷惑を及ぼすおそれのあるもの
      • 白金、金その他の貴金属、貨幣、銀行券、有価証券、印紙類、宝石類、美術品、骨とう品その他の高価品
      • 銃砲、刀剣、爆発物、放射性物質その他運送人等、便乗者、他の物品、輸送機器(自動車、コンテナ等貨物を使用船舶に積み込むために使用する一切の機器をいう。以下同じ。)又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの
      • 生動物
      • 個人情報に関するもの
      • その他運送に不適当と認められるもの
    • 荷送人等又は荷受人がこの約款の規定に違反する行為を行い、又は行うおそれがある場合
    • 運送契約の申込みがこの約款と異なる運送条件によるものである場合
    • 当該運送に関し、荷送人から特別な負担を求められた場合
    • ロールオン・ロールオフ船又は旅客フェリー(以下「ロールオン・ロールオフ船等」という。)を使用する自動車航送において、自動車が次のいずれかに該当するものである場合
      • 法令の規定に違反して運行されるもの
      • その積載貨物の積載方法が運送に不適当と認められるもの
      • 車高が低い等取扱い上不適切な構造を有すると認められるもの
      • 船積固縛するのに不適切な構造を有すると認められるもの
      • イからニまでに掲げるもののほか、運送人等、便乗者、他の物品、輸送機器若しくは使用船舶に危害を及ぼし、又は運送人等若しくは便乗者に迷惑を及ぼすおそれがあるもの
    • その他正当な事由がある場合

第五条(貨物の内容の申告等)

  • 荷送人は、貨物の種類、数量、状態、価額、電源接続等特別な取扱い、貨物の受取場所及び引渡場所等の貨物の明細に関する事項のうち、当社が運送のために必要とする事項を契約締結前に当社に明告しなければならない。
  • 荷送人は、貨物が前条第四項第二号のいずれかに該当するものであるときは、あらかじめその旨を書面により明告しなければならない。
  • 荷送人は、前二項の規定により明告した事項が事実と異ならないことを保証することとする。荷主は、荷送人が当該事項を明告しなかったこと又は明告した事項が事実と異なることにより当社に発生する費用若しくは罰金の負担の責め又は賠償の責めに任じることとする。
  • 当社は、荷送人が第一項及び第二項の規定に反し、荷送人が当該事項を明告しなかったこと又は明告した当該事項が事実と異なることから発生する貨物の損害について、賠償の責めに任じない。
  • 当社は、第一項及び第二項の規定により荷送人が明告した事項について、内容を調査する義務を負わない。
  • 当社は、貨物が前条第四項第二号のいずれかに該当する貨物の運送の申込みに応じる場合においては、荷送人に対し、その負担において、当該貨物につき便乗者の添乗、積荷保険の付保その他の必要な措置をとることを求めることができる。
  • 当社は、貨物が前条第四項第二号のいずれかに該当する疑いがある場合においては、荷主又は第三者の立会いのもとに、当該貨物の内容を点検することができる。
  • 荷送人は、当社の書面による承諾を得なければ、前条第四項第二号イ又はハに掲げる貨物(以下「危険品等」という。)を積載することができない。
  • 荷送人は、危険品等が運送人等、便乗者、他の物品、輸送機器及び使用船舶に危害を及ぼさないことを保証することとする。荷主は、危険品等が当社又は運送人等に損害を与えた場合においては、賠償の責めに任じることとする。
  • 荷送人が、当社の書面による承諾を得ずに、危険品等の船積み又は自動車への積込みを行った場合において、危険品等が発見されたときは、当社は、直ちに当該危険品等の荷揚げ、破棄、投棄その他の適切な処分を荷送人の負担において行うことができる。この場合において、貨物に対する当社の責任は、第二十三条第二項の規定にかかわらず、当該危険品等の処分によって終了し、当社は、滅失、毀損等の損害について賠償の責めに任じない。
  • 当社の承諾を得て船積み又は自動車への積込みを行った危険品等であっても、当社又は運送人等の悪意又は過失によらない事由により、運送人等、便乗者、輸送機器若しくは使用船舶に危害を及ぼした場合又はそのおそれがある場合においては、当社は、直ちに当該危険品等の荷揚げ、破棄、投棄その他の適切な処分を荷送人の負担において行うことができる。この場合において、貨物に対する当社の責任は、第二十三条第二項の規定にかかわらず、当該危険品等の処分によって終了し、当社は、滅失、毀損等の損害について賠償の責めに任じない。

第六条(車両及びコンテナの重量)

  • ロールオン・ロールオフ船等を使用する自動車航送において、自動車の車両総重量は、道路運送車両法第四十条第三号に規定する車両総重量を超えてはならない。
  • 貨物が積載されたコンテナの重量は、船舶安全法施行規則(昭和三十八年運輸省令第四十一号)第五十六条の四第一項の規定に基づき指定された最大総重量を超えてはならない。
  • 荷主は、前二項の規定に違反したことによって運送人等、便乗者、他の物品、輸送機器及び使用船舶に損害を与えた場合においては、賠償の責めに任じることとする。

第七条(車両の構造)

荷送人等は、ロールオン・ロールオフ船等を使用する自動車航送において、自動車が船積固縛するのに適切な構造を有するものであり、かつ、船員等、便乗者、他の物品及び使用船舶に危害を及ぼさないことを保証することとする。自動車が船積固縛するのに不適切な構造を有していたために当社又は運送人等に損害を与えた場合においては、荷主は、賠償の責めに任じることとする。

第八条(貨物の甲板積み)

  • 当社は、コンテナに積載された貨物については、荷主が特段の指示をしない限り、荷主に通告することなく、甲板積みすることができる。
  • 当社は、コンテナに積載されていない貨物については、荷主の同意がある場合又は甲板積みで運送することが一般の慣習である場合に限り、甲板積みすることができる。
  • 前二項の場合において、当社は、甲板積みされた貨物の滅失又は毀損による損害については、当社又は当社がその運送のために利用する船舶運航事業者に悪意若しくは過失又は船員等に悪意若しくは重過失がないことを証明できない場合においては、賠償の責めに任じる。

第九条(生動物)

当社は、生動物の運送を引き受けた場合においては、生動物の管理に関して生じた損害については、当社又は運送人等に悪意又は過失がないことを証明できない場合においては、賠償の責めに任じる。生動物の死傷に関しても、同様とする。ただし、発航後における航行又は使用船舶の取扱いにより生じた損害については、第二十三条第五項の規定に従う。

第十条(違法船積品等)

当社は、禁制品、輸移出若しくは輸移入を禁止されている物品又は契約によらないで船積みされた貨物が発見された場合においては、直ちに当該貨物を荷揚げすることができる。

第十一条(輸送機器)

  • 輸送機器は、貨物の一部とみなす。
  • 当社が所有又は使用する輸送機器を荷送人等又は荷受人に貸し出す場合において、当社と荷送人等が立ち会って当該輸送機器の点検を行った結果異状が認められないときは、当社は、当該輸送機器によって貨物に発生した損害について、賠償の責めに任じない。
  • 荷送人等、荷受人又は第三者の悪意又は過失により、荷送人等又は荷受人に貸し出された輸送機器に損害が生じた場合においては、荷送人等又は荷受人は、当社に対し、当該損害の賠償の責めに任じることとする。
  • 荷受人は、貨物の受領後あらかじめ定められた期間内に当社の指定する場所に当社から貸し出された輸送機器を返却することとする。荷受人が当該期間内に当該輸送機器の返却ができない場合においては、当社は、荷主に対し、期間超過分に対する費用を請求することができる。
  • 荷送人等が自ら所有し、又は当社以外の者から借り入れた輸送機器を使用する場合においては、当社は、当該輸送機器の瑕疵によって生じた貨物の損害について、賠償の責めに任じない。
  • 前項の場合において、輸送機器の操作等に特別な取扱いを伴うときは、荷送人は、当社に対し、あらかじめ取扱方法を明告しなければならない。この場合において、当社は、当該取扱方法によっては、運送契約の申込みを拒否することができる。

第十二条(冷凍機器)

  • 当社は、荷主の要求により、冷凍機器(貨物を冷却する一切の機器をいう。以下同じ。)の電源接続を行う場合を除き、冷凍機器について特別な取扱いをしない。
  • 当社は、冷凍機器に保管される貨物の滅失又は毀損による損害については、当社又は運送人等に悪意若しくは過失がないことを証明できない場合においては、賠償の責めに任じる。ただし、発航後における航行又は使用船舶の取扱いにより生じた損害については、第二十三条第五項の規定に従う。

第十三条(荷造等)

  • 荷送人等は、貨物の荷造、固縛又は梱包(以下「荷造等」という。)の不備により、当社、運送人等、便乗者、他の物品、輸送機器及び使用船舶に危害を及ぼさないことを保証することとする。貨物の荷造等の不備により当社又は運送人等に損害を与えた場合においては、荷送人等は、賠償の責めに任じることとする。
  • 当社は、いつでも、荷造等の点検をすることができる。当社が必要と認める場合においては、荷送人等又は荷受人の承諾を得て、貨物の荷造等を補修又は改装することができる。この場合において、荷送人等又は荷受人が補修又は改装を承諾しないときは、当社は、当該貨物の運送の申込みを拒否し、又は既に締結した運送契約を解除することができる。
  • 前項の補修又は改装に係る費用は、荷主の負担とする。

第十四条(船便の利用の中止等)

当社は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、予定した船便の利用の中止、使用船舶、発着日時、航路、寄港地、船積港若しくは陸揚港の変更又は貨物の種類等の制限の措置をとることができる。

  • 気象又は海象が使用船舶の航行に危険を及ぼす場合
  • 天災、火災、海難、使用船舶の故障その他のやむを得ない事由が発生した場合
  • 運送人等の同盟罷業その他の争議行為が発生した場合
  • 船員等又は便乗者の疾病が発生した場合
  • 使用船舶の奪取、破壊等の不法行為が発生した場合
  • 官公署の命令又は要求があった場合
  • 海上における人命又は財産の救助行為を行った場合
  • 前各号に掲げる事由のおそれがある場合
  • その他正当な事由がある場合

第十五条(陸揚港以外の場所における荷揚げ又は積戻し)

  • 当社は、天災等の正当な事由がある場合においては、貨物を最寄港その他の港若しくは場所に荷揚げし、又は船積港に積み戻すことができる。
  • 当社は、陸揚港以外の場所において荷揚げした貨物については、荷主の指図を待つ時間がない場合、当社の定めた期間内に荷主の指図がない場合その他の正当な事由がある場合においては、荷主の利益のために、当社が選定する運送方法及び条件により、陸揚港への転送、船積港への積戻しその他の適切な措置をとることができる。

第十六条(代替輸送)

予定した船便が利用できない場合であって、荷主の指図を待つ時間がないとき、当社の定めた期間内に荷主の指図がないときその他の正当な事由があるときにおいては、当社は、荷主の利益のために、当社が選定する運送方法及び条件により、適切な代替措置をとることができる。

第十七条(運送方法と経路)

前三条に規定する措置のほか、運送の引受に関する本章の他の規定に合致する範囲において、当社は、貨物の集配、受取、引渡、保管、運送方法、運送経路又は積替に関して、選択の自由を留保する。

第十八条(引渡の特例)

  • 荷受人が遅滞なく貨物を受け取らない場合において生じた費用は、荷主の負担とする。
  • 当社は、第四条第二項の規定にかかわらず、天災等の正当な事由がある場合においては、あらかじめ荷送人等から明告された場所、又は当社が引渡について指定した場所又は時間以外の場所又は時間において、貨物を引き渡すことができる。
  • 前項の場合において生じた費用は、荷主の負担とする。

第十九条(荷送人に対する指図の催告)

  • 当社は、荷受人を確知することができない場合には、遅滞なく荷送人に対し相当の期間を定め、その貨物の処分につき指図することを催告することができる。
  • 当社は、荷受人が貨物を受け取らない場合には、遅滞なく荷受人に対し相当の期間を定めその貨物の受取を催告し、その期間経過後、荷送人に対し前項の規定と同様の催告をすることができる。

第二十条(引渡不能貨物の寄託と通知)

  • 当社は、当社の責めに任じない事由により、貨物の引渡をすることができない場合は、荷主の負担により貨物を倉庫営業者に寄託することができる。
  • 当社は、前項の規定により貨物を寄託した場合は、遅滞なくその旨を荷主に通知する。
  • 当社は、第一項の規定により貨物を寄託をした場合において、倉庫証券の発行があったときは、その証券の交付により貨物の引渡に代えることができ、第一項の費用の弁済を受けるまで倉庫証券を留置することができる。

第三章 運賃等

第二十一条(運賃等)

  • 荷主は、貨物の種類、数量、状態、輸送機器、電源接続等特別な取扱いの有無等の区別に従って、所定の運賃及び附帯の費用を当社に支払うこととする。運賃には、特約がない限り、船積み、陸揚げに要する費用を含み、輸送機器への貨物の積卸しに要する費用を含まない。
  • 荷主は、当社が貨物を荷受人に引き渡すまでに、運賃、附帯の費用、立替金、碇泊料及び貨物の価格に応じ共同海損又は救助のために負担すべき金額(以下「運賃等」という。)を支払わなければならない。
  • 当社と荷主の間にあらかじめ運賃等の支払いに関する合意がある場合には、当該合意による。
  • 当社は、貨物の全部又は一部が不可抗力又は当社若しくは運送人等(船員等を除く。)の悪意若しくは過失若しくは船員等の悪意若しくは重過失によって滅失した場合は、荷主に当該貨物に係る運賃を請求しない。当社が既に当該貨物に係る運賃の全部又は一部を収受している場合においては、荷主に当該運賃を返還する。
  • 当社は、貨物の全部又は一部がその性質若しくは瑕疵又は荷送人等若しくは荷受人の悪意若しくは過失による事由によって滅失した場合においては、運賃の全額を収受する。
  • 当社は、運賃等の支払いを受けるため、裁判所の許可を得て貨物を競売することができる。この場合において、不足額があるときは、当社は、荷主に対してこれを請求することができる。
  • 前項の競売に要する費用は、荷主の負担とする。

第二十二条(留置権)

当社は、運賃等の支払日が経過したにもかかわらず、当該運賃等が支払われない場合においては、当該運賃等を全額収受するまでの間、当該運賃等に係る貨物を荷主の費用により留置することができる。

第四章 責任

第二十三条(当社の責任)

  • 当社の貨物の滅失、毀損等に対する責任は、当社が貨物を受け取ったときに始まる。
  • 当社の責任は、荷受人が留保をせずに貨物を受け取ったときに消滅する。ただし、貨物に直ちに発見することができない毀損又は一部滅失がある場合において荷主が受け取った日から二週間以内に当社に対してその通知を発したときは、この限りでない。
  • 前項の規定は、当社又は運送人等に悪意がある場合においては、適用しない。
  • 他に規定のある場合を除き、当社は、貨物の滅失、毀損等の損害について当社又は運送人等に悪意又は過失がないことを証明できないときは、賠償の責めに任じる。
  • 前項の規定にかかわらず、当社は、発航後における航行又は使用船舶の取扱いにより生じた損害については、当社又は当社がその運送のために利用する船舶運航事業者に悪意若しくは過失又は船員等に悪意若しくは重過失がないことを証明できない場合においては、賠償の責めに任じる。
  • 前二項の場合においても、当社は、第四条第四項第二号ロに掲げる貨物の滅失、毀損等の損害については、第五条第二項に基づく書面による明告がないときは、賠償の責めに任じない。
  • 貨物の滅失、毀損等の損害について当社が賠償責任を負う場合においては、当該賠償額は、あらかじめ荷送人等から明告された場所、又は当社が当該貨物の引渡について指定した場所及び時間(一部滅失又は毀損の場合においては、引渡のあった時間。次項において同じ。)における価額によってこれを定める。
  • 前項の場合において、あらかじめ荷送人等から明告された場所、又は当社が当該貨物の引渡について指定した場所及び時間における価額が明確でない場合においては、当該価額は、第五条第一項の規定により荷送人が明告した価額であるものと推定する。
  • 貨物の滅失、毀損のため荷主が支払うことを要しない運賃等は、前二項の賠償額から控除する。
  • 当社は、当社又は運送人等の悪意又は重過失によって貨物が滅失、毀損等した場合においては、一切の損害の賠償の責めに任じる。

第二十四条(荷送人等が輸送機器に詰めた貨物)

  • 当社が受け取った貨物が荷送人等によって輸送機器にその中身が詰められたものである場合には、当社又は運送人等に悪意又は過失がない限り、中身の状態及び明細について、当社は一切の責めに任じない。
  • 荷送人等は、輸送機器の中身の積付け並びにその閉扉及び封印が確実で適切であること並びに輸送機器及びその中身がこの約款の条項に従った取扱い及び運送に適していることを保証するものとする。
  • 前項の場合において、荷送人等が保証した事項が事実と異なる場合には、当社は、当該違反から生じる貨物の滅失、毀損等に対して賠償の責めに任じない。

第二十五条(荷主等の賠償責任)

この約款に規定するもののほか、荷送人等又は荷受人が、その悪意若しくは過失により、又はこの約款を守らなかったことにより当社又は運送人等に損害を与えた場合においては、荷送人等又は荷受人は、当社に対し、損害の賠償の責めに任じることとする。

第二十六条(免責)

当社は、内乱、テロ、暴動、同盟罷業、荒天遭遇その他の不可抗力によって生じた損害については、賠償の責めに任じない。

第二十七条(時効)

貨物の滅失、毀損等に対する当社の責任は、当社に悪意がある場合を除き、荷受人が貨物を受け取った日(貨物の全部が滅失した場合にあっては、あらかじめ当社が引渡を予定した日をいう。)から一年を経過したときは、時効によって消滅する。

第五章 附帯業務等

第二十八条(附帯業務)

当社が貨物利用運送事業に附帯して行う貨物の荷造り、保管、仕訳、代金の取立て及び立替えその他の通常貨物利用運送事業に附帯する業務を引き受けた場合の料金は、当社が別に定める料金表による。

第二十九条(付保)

利用運送の申込みに際し、当社の申出により荷送人が承諾したときは、当社は、荷送人の署名又は記名捺印のうえ、荷送人の費用によって運送保険の締結を引き受ける。

第三十条(附帯業務についての責任)

当社が貨物利用運送事業に附帯する業務を引き受けた場合における当社の責任については、第四章の規定を準用する。

第六章 雑則

第三十一条(保管)

  • 荷主は、荷主の都合により当社による貨物の受取前又は引渡後に、当社が指定した埠頭、オープンヤード、上屋、コンテナヤード等に貨物を保管する場合は、当社の承諾を得なければならない。
  • 前項の規定による貨物の保管については、当該保管に係る契約の定めによることとする。

第三十二条(便乗者)

  • 当社は、使用船舶の輸送能力の範囲内において便乗者の乗船申込みに応じることとし、便乗者は、荷送人の費用において乗船することとする。
  • 便乗者は、使用船舶への乗船又は自動車への乗車にあたり、当該船舶運航事業者の定める約款の規定又は当該貨物自動車運送事業者の定めに従うものとする。

第三十三条(共同海損)

共同海損は、千九百九十四年のヨーク・アントワープ規則の規定に従って処理する。

第三十四条(不法行為責任)

当社は、荷主が貨物に関する当社又は運送人等の不法行為による損害賠償を当社に対し請求した場合においても、この約款の規定を援用することができる。

第三十五条(免責の援用)

当社の使用人又は運送人等は、荷主に対し、この約款における免責に関する規定を援用することができる。

第三十六条(仲裁等)

  • 当社及び荷主は、この約款に基づく争いについて仲裁に付する旨の合意がある場合においては、当社が指定する公益法人に仲裁を付し、仲裁人の判断に従うこととする。仲裁人の選任、仲裁手続その他仲裁に関する一切の事項は、当該公益法人の定めるところによる。
  • 前項の合意がない場合において訴訟が生じたときは、第一審の裁判権は、当社の主たる営業所を管轄する裁判所に属することとする。